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 亡兄の子供を養子にした父が死亡した場合には、兄の子供は父の養子であるとともに、兄の代わりに財産を引き継ぐ代襲相続人という2つの立場を重複することになります。このように2つの身分で相続人の立場に立つ人を法律上では「二重相続資格者」と呼びます。二重相続資格者の法定相続分は、それぞれの身分の相続分の合計額です。

 二重相続資格者がいる場合の相続税の基礎控除額の計算においては、二重相続資格者を1人の法定相続人としてカウントします。しかし二重相続資格者の法定相続分については、それぞれの身分の相続分を足して計算します。先ほどの例の法定相続分では、配偶者が1/2、相談者が1/6、二重相続資格者は、代襲相続人の相続分1/6と養子の相続分1/6の合計額1/3が二重相続資格者の法定相続分となります。

 相続税の基礎控除額を計算する際に相続人の数に含めることができる養子の人数は、被相続人に実の子供がいるなら1人まで、いないなら2人までと制限されています。なお、養子の数を法定相続人の数に含めて相続税の負担を不当に減少させる狙いがあったとみなされる場合は、養子の数に含めることは出来ません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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