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 2023年税制改正大綱では、子や孫への教育資金の一括贈与が1500万円まで非課税になる特例の2年延長が盛り込まれました。ただし、同時に要件が厳格化され、受け取った側が30歳に達して残額に贈与税が課されるときには、家族向けの低税率ではなく、一般向けの高税率が適用されるようになります。

 とはいえ何かと教育にお金がかかる今の時代、非課税特例を活用しようと考えている人も多いのではないのでしょうか。しかし同特例では、非課税上限は1500万円ですが、出費の内容次第では、その上限額が1/3の500万円まで減ってしまうこともあるので注意が必要です。

 ポイントは支出先が「学校教育法で定められた学校等」であるかどうかです。相手が学校以外の学習塾や習い事の教室ですと上限は500万円になります。

 では具体的に1500万円の非課税枠を使える支出には、どのようなものがあるかといいますと、入試の受験料はセンター試験も国公立も私立大もすべて非課税となります。入学料、学費も非課税。保育園の入園料や保育料も同様で、認可外であっても自治体の監督基準を満たす施設なら問題ありません。一方、学校に通う為の通学定期代は、学校等に支払うものとは認められません。

 そもそもすでに学校を卒業した子や孫の奨励金の返済は、残念ながら教育資金として認められませんので覚えておいてください。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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