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 去年1月に施行された改正電子帳簿保存法では、電子データで受け取った領収書などはデータのままシステム上で保存しなければならず、さらに一定の保存要件などを満たす必要がありましたが、事業者の対応が進んでいないことから、23年度税制改正で、「相当の理由」があれば保存要件を満たさなくても法律違反とみなさない特例が盛り込まれました。

 国税庁が公表したQ&Aによれば「相当の理由」とは「事業者の実情に応じて判断するものであるが、例えばシステム等や社内でのワークフローの整備が間に合わない場合等がこれに該当する」とあります。さらにその理由として「資金繰りや人手不足等」も認められています。

 改正電子帳簿保存法を巡ってはこれまでも、改正法に対応できない事業者への救済措置として「宥恕措置」が設けられていました。宥恕措置では、保存要件を満たさなくてもいいケースとして「やむを得ない事情」があることを挙げていましたが、これは特例における「相当の理由」と何が違うのでしょうか?

 それは、宥恕措置では受け取った電子データを紙などに出力して書面で保存することが認められていましたが、猶予措置では認められないという点です。あくまで来年以降に特例を適用できるのは、データをデータのまま保存できている場合に限ります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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