c0ffc120f8a58d18825a19ed92d7f115_s

 相続時精算課税制度は、生前に贈与を受けた財産について、親や祖父母の死亡時、相続財産に合算して最終的に相続税で清算する制度です。生前贈与の非課税枠が2500万円あり、財産を何回贈与されてもその枠内なら非課税となり、2500万円を超えた場合には一律20%の贈与税が課されます。そして相続発生の際にも贈与時点での評価額で税額を算出する為、贈与から相続の間までに値上がりする可能性が高い財産を贈与することで相続税対策にもなります。

 ですが、土地の贈与には他の財産にはないデメリットもあります。相続税対策には欠かせない「小規模宅地等の特例」は、相続時精算課税を適用した贈与には適用できません。また生前に贈与を受けた土地や建物などは物納にも使えません。さらに相続による土地の取得であれば税率0.4%で済む登録免許税が2.0%で適用され、相続時には免除される不動産取得税も課されてしまいます。こうした諸々の負担増により、相続で引き継ぐよりトータルで損をする可能性もあるので、制度利用の際にはどちらが得かをよくよく検討していただきたいものです。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。