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 税金に関する基本的な説明は、税務署のパンフレットや国税庁のホームページでされていますが、とかく複雑な税法や通達の全てをそこで理解できる人は少ないと思います。

 そういう時に参考になるのが「文書回答」の制度です。個別事案の税務上の取扱いについて質問しますと、当局が文書で回答するとともに、その内容を国税庁のホームページ上に公表します。

 文書回答手続には、申出人が自ら行う取引について、申告期限前に照会する「個別文書回答手続」と同業者団体が傘下の構成事業者に共通する取引などについて照会する「一般文書回答手続」の2つがあります。 どちらにせよ税務署にある(国税庁ホームページからも入手可能)専用用紙に必要事項を記入し、関係書類を添えて所轄税務署に提出することで申請します。受け付けた日からおおむね1ヶ月以内に、それまでの検討状況から見た文書回答の可能性や処理の時期の見直しなどを教えてもらうことができます。

 ただし仮定の事実関係や複数の選択肢がある事実関係に基づくもの、個々の財産評価や取引価格の算定、妥当性の判断に関する照会、取引の主要目的が税の軽減であるもの、通常の経済取引として不合理であると認められる質問は回答してくれません。

 なお照会者から特に申し出がない限り照会者の名前が公表されることはありませんが、同業者団体などからの照会については公表されるルールとなっています。

 質問を出してから回答を得るまでの期間はケースバイケースですが、国税庁によれば「受付日から原則3カ月以内の極力早期(審査に必要な追加資料の提出や、照会文書の補正に要した期間を除きます)に行うよう努める」としています。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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