27844765_m

 全文を自分で書く「自筆証書遺言書」は、思いついたタイミングで費用をかけずに残せるという手軽さがある反面、書き方を少しでも間違えればその全部が無効になる恐れがあります。そのため、確実に効力を発揮する遺言を残す方法としては、公正役場で公証人に作成してもらう「公正証書遺言」に軍配が上がります。

 公正証書遺言は、役場が原本を保管するので紛失リスクがなく、法律のプロが作成するので遺言が無効になることもありません。作成には手数料がかかりますが、財産を思い通りに渡すための支出と考えれば仕方ないでしょう。なお手数料は、渡す財産の価格が100万円までなら5千円、100万円超200万円以下は7千円と財産の価格によって変わります。財産が10億円を超えると「24万9千円に、超過額5千万円までごとに8千円を加算した額」となります。

 公正証書遺言を作成するのに面倒なのが、証人が2人必要だということです。しかも法律上、①未成年者、②推定相続人や財産を受け取る人、その配偶者および直系血族、③公証人の配偶者、四親等内の親族、書記、使用人、は証人にはなれません。だからといって所有財産を含めた遺言の内容を知られてしまうので、いかに仲が良くても近所の友達に任せるのは、はばかられます。

 もし知り合いに頼める人がいなければ、弁護士などの専門家に頼むという手もありますがこれまた料金が別途発生してしまいます。遺言を残すのも一苦労です。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。