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 相続税を計算する上での土地の財産評価は「面積×路線価」で算出されるのが基本です。しかし地積が大きすぎて一括して売りにくい土地や、形がいびつで使い勝手が悪い土地は、実際には売りにくく売買価格が下がるため、補正率を掛けて相続財産としての評価額を減額することが認められています。

 この土地の減額特例は、面積や形状といった土地自体の性質だけではなく、周囲の環境から受けるマイナス要因も考慮されます。例えば土地が鉄道沿線にあって騒音や振動があり、同じ地域の他の土地と比べて売却額が大きく下がるようであれば、相続税評価額から1割を差し引けます。また日照阻害、悪臭、土地の凹凸などの影響で取引金額が下がるような土地も1割減が認められます。

このうち線路沿いで騒音がある土地については、どれだけの騒音があれば減額対象になるかの基準はありません。ただし環境省の基準によると音の大きさが「60デシベル」を超えると騒音と判断されることになっていて、裁決事例などから見ても、60デシベルが一つの基準となっているようです。

ただ線路に一番近い場所で60デシベルを超えればいいという話でもなく、過去には騒音が60デシベルを超えるのは線路から20m以内の部分だけであるため、同じ敷地内でも20m以上離れている部分は評価額が認められなかった事例もあります。また発生頻度も問題となり、例えば1日に数本しか電車が通らないような場所では、評価減が認められない可能性が高くなります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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