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国税局査察部(マルサ)が1年間に告発した脱税の総額は93億円で、集計を始めて以降で最少となりました。経済取引の国際化やICT化に伴って脱税の手法が複雑化し、不正を捕捉しにくくなっていることが一因と見られています。

2019年度にマルサが処理した案件は165件で、そのうち116件が告発の対象となりました。告発率は70.3%で、9年ぶりに7割を超えております。

告発件数116件は直近5年間の平均118.6件をわずかに下回る程度でしたが、脱税額自体は92億7600万円と5年間平均の114億8400万円を大きく下回っております。年間100億円を下回ったのは47年ぶり2度目の記録です。

マルサに告発されますと基本的に有罪判決を受けると考えてよさそうです。2019年度に一審判決が言い渡された124件全てが有罪判決で、そのうち5人には実刑判決が言い渡されています。

なお、2019年度の査察では初めて国外財産調書の不提出犯を告発しています。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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