b7235c47705db298795deeb0bd00ed2d_s

 相続人の中に認知症で判断能力が全くない人がいる場合、遺言書で財産の分け方が指定されていない限り、法定相続分通りに相続するか、あるいは成年後見人をつけて遺産分割協議をする必要があります。

 法定相続分通りの相続では、小規模宅地の特例などの税負担軽減措置のメリットを最大限活用した遺産分割ができないおそれがあります。また不動産は相続人全員の名義で共有となるといった不都合も生じます。

 一方、後見人と遺産分割協議をするケースでは、後見制度が被後見人の保護を目的とするものであることから、原則として被後見人の法定相続分を確保する分け方でなくてはならず、自由な遺産分割は出来ません。

 なお、後見人が親族以外の専門家の場合には被後見人が死亡するまで報酬を支払う必要があります。

 認知症を患っている人が相続人にいると自由な遺産分割はできなくなるので、財産を残す立場の人は遺言書を作成するなどの生前対策を講じるようにしましょう。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。