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 コロナの感染も一段落し、海外に出られる方も増えてきました。海外に出るにしても税金がかかることについては、あまり知られていません。

 現在、日本には「出国税」と呼ばれる税金が2つあります。1つは2018年度税制改正で導入された「国際観光旅客税」で、これは日本から出ていく人に出国一回につき一人1000円を課すというものです。税収は日本の観光立国化を進めていくための財源になります。当初は外国人旅行者からのみ徴収する予定でしたが、各国と締結している租税条約に「国籍による差別の禁止」という規定があるため、最終的に日本人も含めての徴収となりました。

 そしてもう一つが、国際旅客税に先立つこと3年、2015年にスタートした「国外転出時課税制度」です。1億円以上の金融資産を持つ人を対象に、出国時点での含み益に対して所得税を課すものです。日本でひと財産を築いた富裕層が、シンガポールなどの税金が安い国に移住して株式などを売却し、税負担を逃れる行為を防ぐために創設されました。日本からの資産持ち出しを防ぐ制度なので、たとえ海外に行っても資産を売却せずに帰国すれば、納めた税金は戻ってきます。また海外旅行や国外出張といった短期渡航は対象外です。

 

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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