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 身寄りがない人が死亡し、財産の受取人が誰もいないとします。このような場合、利害関係者か検察官の申し立てを受けて、家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。選ばれた管理人は被相続人の債権者に相続財産から弁済し、残りは国庫に納めます。これらの「身寄りのない遺産」は少子高齢化によって増加傾向にあり、2020年度には600億円を超えました。わずか4年ほどで1.4倍に増えています。

 ただし相続人がいない状況では必ず国に財産が移るわけではありません。相続人がいない被相続人の財産は、被相続人と生計を一緒にしていた人や介護・看病をしていた人などの「特別縁故者」に該当する人であれば受け取れます。代表的な特別縁故者は、内縁の妻や夫です。裁判所に特別縁故者と認められれば財産を受け取ることができます。

 内閣府によりますと、ここ数年の婚姻数は毎年60万組ほどで推移しています。第一次ベビーブーム世代が結婚適齢期を迎えた1970年~74年の年間100万組に比べると、未婚率は大幅に上がっているのが現状です。

 配偶者や子がいなければ財産が国のものになる可能性が高くなるので、もし国に財産が渡るのが嫌でしたら、遺言の作成や養子縁組などで財産の引き受け手を事前に決めておかなければなりません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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