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 相続の際に残してくれた財産よりも借金の方が多ければ、債権も債務もすべて放棄する「相続放棄」の選択肢があります。この「相続放棄」をしたければ、被相続人の死を知った日から3カ月以内に家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出し、認められればその相続については初めから相続人でなかったものとして見なされることになります。

 ところで亡くなった人が契約者(保険料負担者)及び被保険者で、相続人が保険金受取人という生命保険契約では、相続発生により相続人に支払われる死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。この保険金は、相続放棄をしたとしても、自分が受取人となっている保険については受け取ることが可能です。

 しかしこの場合は「相続」ではなく「遺贈」扱いとなりますので、税務上の取扱いに注意が必要です。

 遺贈により取得した財産にも相続税は課税されるので、相続税の基礎控除や配偶者の相続税の軽減などは適用になりますが、相続放棄して遺贈により取得した保険金の場合には、生命保険金の非課税枠である「500万円×法定相続人の数」を使うことができませんので注意が必要です。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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