税務調査
第842話 相続税の税務調査(4)
人間の欲望深さゆえ、「バレなきゃ…」と相続財産を隠そうとする納税者があとを絶ちません。発覚すれば最悪前科が付き、まさに自分の人生をかけるに等しい行為ですが、悲しいかな、そういう時でも人間は一定のパターンに沿った行動をし…
続きを読む第841話 相続税の税務調査(3)
ほとんどの方が、相続税の税務調査を経験されていないと思いますので、典型的な相続税調査の流れをお教えします。 【午前】 ■2人の国税調査官が約束していた時間通りに到着 ▷ その時点で調査官は、庭(敷地)に…
続きを読む第840話 相続税の税務調査(2)
相続税調査の調査官は、基本的に2人でやってきます。玄関に入ってきた瞬間から調査は始まっています。調度品を鋭くチェックしているのです。 そして、被相続人の霊前に線香をあげた後、被相続人の生前の思い出話をするように促して…
続きを読む第839話 相続税の税務調査(1)
国税庁や国税局の新年度は、毎年7月に始まります。人員転換を経て業務の引き継ぎを終え、いよいよ税務調査に乗り出すという時期が、年度開始から2~3カ月を経過した頃になります。「税務調査の秋」といわれるゆえんです。 調査件…
続きを読む第830話 国税査察部(マルサ)その6
国税局査察部の「お手柄」を示す去年の実績は、告発率は73.5%の高水準となっています。調査に当たった113件の脱税事件の内、83件を告発しました。 去年重点的に調査した対象の一つが海外取引に絡む脱税で、告発件数は27…
続きを読む第767話 国税局査察部(マルサ)その5
情報収集の基本は張り込みと尾行です。社長の動向を調べるために徹夜で何日も 張り込みます。銀行前で無記名債権の購入者が来るまで何カ月も張り込んだりもします。これは映画のワンシーンではなくマルサの日常です。 今回は、張り込…
続きを読む第759話 お尋ね文書
納税者のお金の流れを把握するために当局から送られてくる「お尋ね文書」が急増しています。当局がコロナ過での効率的な手法として多用し始めているのでしょう。お尋ね文書は行政による問い合わせに過ぎませんが、書面には税務調査に発展…
続きを読む第755話 相続税調査の無申告事案
国税庁が2019年事務年度(2019年7月~2020年6月)に実施した相続税の税務調査は、新型コロナウイルスの影響により実地調査件数は減少した中で、無申告事案1件当たりの追徴税額は前年比22.6%増加しました。徴税の効率…
続きを読む第751話 任意調査と強制調査
任意調査は、適正な課税を行うために必要な資料を収集する目的で、納税者や関係者に対して質問検査権を行使するもので、純然たる行政手続きです。 これに対して強制調査権の目的は、悪質な脱税者に対し、検察官に告発して刑事訴訟を…
続きを読む第735話 国税局査察部(マルサ)その4
内偵調査の手がかりを端緒と呼びます。繁華街をふらついて流行っている店を見つけたり、国税局に寄せられる脱税情報だったり、テレビや雑誌の繁盛店紹介だったり、国税の内部資料から架空取引が浮かび上がることもあります。 しかし…
続きを読む第731話 国税局査察部(マルサ) その3
法人税法や所得税法には、個別に罰則規定が定められていますが、すべて刑罰を科しています。よって本来的には、租税犯の捜査は刑事訴訟法の規定に従って、検察官などの捜査機関が捜査し、裁判で審理すべきものでしょう。 しかし国税犯…
続きを読む第727話 国税局査察部(マルサ) その2
国税局査察部通称マルサ。闇に潜んでいる資金に目を光らせ、時に経済社会の網の目をすり抜けようとする金を引きずり上げるため、「資金警察」とも呼ばれています。また、調査の取材に一切応じないため、マスコミ関係者から「沈黙の艦隊」…
続きを読む第705話 国税局査察部(マルサ)
国税局査察部(マルサ)が1年間に告発した脱税の総額は93億円で、集計を始めて以降で最少となりました。経済取引の国際化やICT化に伴って脱税の手法が複雑化し、不正を捕捉しにくくなっていることが一因と見られています。 201…
続きを読む第644話 質問応答記録書
近年、税務調査でよく署名捺印を求められる資料に「質問応答記録書」があります。これは刑事事件での取調調書のようなもので、税務調査で不審な取引があったようなときに、調査官が事実関係を明確にするために作成する記録です。この資…
続きを読む第633話 税務調査の実態
今まで国税から見逃されていた問題点や、従来は到底課税されると思えなかった節税について、少しずつですが対応が厳しくなっている印象があります。 最近の税務判例の中で最も驚かされたのが、賃貸不動産を使った相続税の節税が否認…
続きを読む第589話 調査官のホンネ
相続税調査にあたり財産の有無の確認は、相続人のもとに調査に訪れる前の段階から行われています。税務署は納税者の事前了承を得なくても様々な情報を入手することができます。 まず金融機関に対して情報を照会できます。この際、税…
続きを読む第564話 相続税調査
相続税は平成27年に基礎控除額引き下げと最高税率の引き上げが行われました。この増税後の相続に対する税務調査について国税庁は実績を公表しております。増税後の調査では、現金と預貯金の申告漏れの発覚が大幅に増加しております。…
続きを読む第560話 調査官にばれた現金の隠し場所ランキング
タンス預金をする人には、適切な預け先がなかったり、マイナンバー制度の影響を懸念していたりと、いろいろな事情があります。 ただし、相続税を免れることを目的にしているのであれば、それは無意味でリスクの高い行為です。 税…
続きを読む第554話 相続税調査で狙われる2つの名義
相続税の税務調査は、ひとたび受けると8割でなんらかの更正処分などを受けてしまう厳しいものです。調査対象となる財産は多岐にわたりますが、特に重点的に調べられる2つの名義資産に気を付けてもらいたい。 一つは、名義資産。た…
続きを読む第551話 重さの違う税務調査
2015年の国税通則法改正によって事前通知制度が導入されて以降、実地調査件数は下降傾向にありましたが、昨年あたりからは、ほぼ横ばいで推移し落ち着きを見せています。税務調査というと映画『マルサの女』の影響か、「マルサが来…
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